― 小児看護を入り口とした後、どういった思いで訪問看護の世界に入ってこられたんですか?
「病棟勤務時に、患者さんやそのご家族と築いた関係がある時期ある瞬間で”パッ”と消えていくような、寂しい感覚を覚えて。目の前の人ともう少し親密な関係を築きたいと思ったとき、そこに訪問看護がありました。」
― 率直に、訪問看護の世界はどうですか?
「ぶっちゃけ最初の5年はやめたかった(笑)。最初に勤めた訪問看護事業所が少しカチッとしていたってこともあって、合ってなかったのかな。頑張ってたけど。色んな事情でその訪問看護事業所が閉鎖になって、その後にデイサービスに勤めたんですけど、あの時のご利用者さんはどうなったんだろう?とか、”やりがい”みたいなものが全く感じれなくなって、訪問看護ロスっていうのかな(笑)。それでまた訪問看護の世界に戻ってきました。」
― そんな酒井さんがあゆみのにこられてもうすぐ5年目。日々、どんな感じですか?
「以前の自分を振りかえることができて、改めて自分の中で何が出来ていて、何が出来ていないのかが分かってきました。大変なこともあるけど、楽しさも分かってきたかな!それと、やっぱり利用者さんを身近に、家族みたいに思えることが何よりで。なんか、いっぱいもらっている感じがするんですよね。愛情みたいな、あたたかさみたいなもの。」
― 訪問看護に足踏みするひとつの要因としてオンコール対応の大変さがよく言われますが、そこはどう思いますか?
「その時のご利用者さんの身体状況や重症度によっても大変さは異なりますが、オンコール後の代休制度があるので前に比べると気持ちの負担も少なくやれていますよ。」
― オンコール対応も然り、訪問看護って個人で動くイメージが強いように思うのですが、実際にはチーム力がすごく問われないですか?
「そうですね。現場には一人で赴くことがほとんどですが、色んな人に相談できるから良いですね。個人よりもむしろチーム! チーム力が問われるように思います。あゆみのは看護チームもそうだし、PTOTSTさんもいてるのでありがたいかな。現場で困ったり、悩んだりしたら持ち帰る勇気もいると思っています。」